分離体験退行
○分離体験退行

心理療法には、年齢退行催眠というものがあります。
過去の出来事にさかのぼって、そのころの自分を体験し、その時の感情を吐き出すことで、過去の清算を試みるものです。

しかし、実際には、年齢退行催眠には、危険が伴いますし、ほとんどそのような方法では過去を清算することはできません。
クライアントは、過去にあった苦しみをまた体験してしまい、心理療法を受ける前よりも、さらに状態が悪化してしまうこともあります。

では、どのようにすればうまくいくのでしょう。
それは、過去の出来事をそのままに体験するのではなく、子供の頃の自分を、大人である現在の自分が客観視すれば良いのです。

そしてそれを、分離体験退行といいます。

大人のあなたが、子供のころのあなたを客観視することで、そのころの感情まで現在のあなたが体験する必要はありません。

そして、客観視する上で大切なのは、現在の大人であるあなたが、子供のころのあなたよりも、はるかに、賢く、強く、優しく、大きく、成長しているということを認識することなのです。

大人の自分の視点で見たときと、子供のころの視点で見たときでは、その頃にあった出来事に対しての印象が異なることに気づきます。
そして、それに気づくことで、過去に対する解釈が変わっていきます。

さらに、大人として成長したあなたは、子供の頃のあなたを守ることもできます。

つまり、不安を消すことを目的とするのではなく、
大人のあなたが、子供のあなたを守ってあげることを、目的とするのです。

子供のころのあなたは、大人のあなたに守ってもらうことで、初めて安心します。

すると・・・ずっと止っていた過去の時間が初めて動き始めるのです。